Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

ロースクール向きの環境

たまに,「ロースクールに興味あるけど,どうですか」とか,「家族持ちが学生になるのはやっぱりきつい?」と聞かれることがある。そんなとき,今の自分の境遇を振りかえりつつ,自分の環境がロースクールに向いているのか,というのを考えさせられる。


発足初年度にして,すでにロースクールバブルは崩壊し,社会人志願者は激減したと言われる。想定合格率が低いから敬遠されたというのが第一の理由とされるが,とはいえゼロになったわけではない。今後,社会人でロースクール(に限らず,昼間に通う大学も含む)を目指そうとする人に,以下の情報が参考になるかもしれない。

長い通学時間

今,往復で3時間弱かかる。通学時間中に勉強するということも考えられなくもないが,私が使う路線,時間帯は現実的に不可能なのであきらめている。多くの時間を確保しなければならない状況下で,これは一番大きなハンデかも。やはり大学の近くに住むのが一番だと思う。

子持ち

そもそも子持ちはそれほど多くない。他のパパ学生の場合,奥さんが専業主婦もしくは育児休暇中というケースが多いようで,わが家のように家事育児を共同で担当しているケースは知らない。これも確かに勉強時間の確保が難しくなる要因だが,子どもがいると癒し効果は高いし,「絶対に1回で合格しなければ」という気合の維持効果もある。また,小さな子どもがいると早起きの習慣があるから,生活リズムも整う。だからこの点は,あまりマイナスではない。

家事負担

上の話とほぼ同じだが,これは気分転換だと考えるようにしてる。どうせ一人暮らししていても掃除洗濯はしなくちゃならない(手抜きするとしても)。確かに家に帰れば自動的にご飯が出てきたり,脱いだ洗濯物がいつの間にか洗ってタンスに収納されている生活なら楽でいいなあ,とは思う。

社会人経験

社会人経験,といっても様々だから一概にいえないが,勉強に直接有利になることはほとんどない。プラスに働くとしたら,社会人経験者は邪念が生じにくいことかもしれない。つまり,楽しくもしんどいサラリーマン生活を経験していると,「学生はやっぱり飽きる」「早く稼がなければ」「自己投資した金は無駄にしたくない」という思いが強いので,今遊びたい,という気持ちはそれほどでもない。だから,勉強に集中しやすくなるのかも。

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全体的に言えることは,いくつかの条件が重なると,「潜在的に確保可能な勉強時間の枠」は確実に小さくなる。でも,背負っているものが大きくなると,その潜在的に確保可能な時間の多くを実際の勉強時間に回すことができるから,時間的な不利はある程度克服できそうだ。でも,逆に見れば,すでにトップギアで走行していることになるから,これからの伸びしろはない。


書いてみたものの,まだロースクール3年の半分が過ぎたところだから結果は出てないし,事情も様々だからひとくちに有利とか不利,というのはなんともいえないのだけど。