Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

注文その1

前回,教授の給料について書いたついでに,先生方の講義,指導に関して少し感じることがあるので,今は夏休みだし,何回かに分けて,自分の立場もわきまえずに書くことにする。今回は,テーマ1,プレゼンテーションについて。


ロースクールで教鞭をとる先生方には,プレゼンテーションを勉強してもらいたい。もちろん,自分がエラそうなことを言っていることは承知の上だけど。前提として,ソクラテスメソッドであれ,従来型の講義であれ,講義の空間全体が先生を中心に回っている以上,授業はプレゼンテーションの一種であり,その技術が必要になると思う。


プレゼンテーションが,はたから見ているほど簡単なものではなく,けっこうテクニックが必要なものであることは言うまでもないことで,逆にいえば,ある程度テクニックを習得し,経験を積めば,内容の良し悪しとは別に,プレゼンテーションのスキルは高まる。


かつて先生方とのお話の場で,ある先生は「我々は前に立って授業をどうやるか,という教育はまったく受けたことがない。他の人がどうやっているのかすら,ほとんど見たことがない」と公言していた。これではプレゼンテーション技量についてあまり多くを期待できない。数をこなせば自然とうまくなるものでもないようだ。


もちろん,とても上手な先生もいる。一般の人向けの講演などをやってもおそらく好評になるだろう。事実,そういう先生は本学のオープンキャンパスでも模擬授業で活躍されていた。その一方で,もうちょっとなんとかして欲しい授業は少なくない。


数年前に,丸2日間のプレゼンテーション研修を受けたことがある。プロの先生を招き,少人数で互いにチェックしたり,ビデオにとったものを見ながら指導を受けた。このときの指導内容を思い出しながら,今の先生たちのやり方をチェックしてみる。


・・とようやく各論に入ろうと思ったところで長くなりすぎたので,以下つづく。