Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

もう一度お願いします

先生の質問に対して,題記の応答をするケースがわりとみかけられる。授業全体の流れを遮ることになるので,いいことではないが,過去に自分がやってしまったこともあるだけに,ついついそう答えてしまう気持ちもわかる。


ロースクールの授業スタイルに慣れていないがゆえに,不意討ちをくらった,という理由が考えられる。でも,3ヶ月近く経過しても,この種の応答があまり減っていない(単なる沈黙や,「やってません」といった応答はほぼ絶滅した)ことからすると,先生側にも問題がある場合もある(ただし,順番に指名する授業形態では学生の帰責性もあるだろう)。


先生側にあると思われる原因としては2つ。

  • その1。要するに何を聞いているのかわからない。だから,指名されていない他の人も「自分じゃなくてよかった」と感じる瞬間である。先生が敷衍するうちに違う質問になっていたりすることもある。
  • その2。指名のタイミングの問題。みんなが必死に書いたり,資料をめくったりするタイミングによく指名する。学生側も先生のクセをつかんで対応する余地はあるかもしれないが。


一方,高等テクニックとしては,考えたり,ノート・テキストを探すための時間稼ぎとして,このような応答をする方法が考えられる。しかし,「こいつ,聞いとらんな」と思われてもシャクだから,聞き返すとしても,「質問は・・ということですか?」と咀嚼する形が望ましいが,そこで,「そうです」と一言で返されると時間稼ぎという当初の目標が達成できない。このへんのサジ加減が難しいからこそ,「高等テクニック」である。