Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

無事進級

進級試験の発表があり,無事に進級していることがわかって一安心。
それにしても1年はあっという間だった。1年前の今は「六法って憲法民法と,あと何?」っていうレベルだったことからすると,この1年は非常に濃かった。


未修者の1年生から2年生にあがるのに,期末試験に加えて進級試験を課すところというのは他で聞いたことがない。なにしろ,進級するためにクリアしなければならないハードルは,

  • 前期の科目で全て単位を取ること(ひとつも落とせない,ただし,追試はある)
  • 同じく後期の科目で全て単位を取ること(同上)
  • 進級試験で全ての科目で合格点を取ること(同上)

である。1年次は選択科目もない。


ちなみに進級試験の範囲は,この1年間でやってきた,憲法,刑法,民法民事訴訟法,刑事訴訟法の5科目全部である。残念ながらこの基準をクリアできなかった同級生もいた。


つらいのは,そこで上記のハードルをクリアできないと,単に留年,というわけではなく,その他に取得した単位も全てクリアされ,つまりは新たに入学する人と同じ条件になってしまうことだ。こりゃ,いくらなんでもきつすぎる。確かに,プロセス重視の法科大学院としては,甘い単位認定をしてレベルの低い卒業生を輩出することになっても問題だが。


しかし,例えば期末試験の日にインフルエンザで1科目だけ欠席し,追試の日に結果が思わしくなかったとしたらどうか。確かに,追試の一発勝負のときに結果を残せなかった本人にも問題があるかもしれないが,1年分の単位を全て返上しなければならない,というのは過度に重い処分ではないのかと思う。


法科大学院生にとっての留年は,通常の大学生以上に重いと思う。大半の学生は学費を奨学金や自費でまかなっているし,社会人からの転身組は一刻も早く社会に復帰したい,という思いが強い。仮に留年しなければならなくなったとしても,当該科目だけの単位を取得すればよいとすれば,その他の時間をもっと有効に使えるはずである。


この制度だけはあまり納得できない。